第 七 次 訪 中 珠 算 使 節 団 

大阪珠算協会  常務理事  西川 善彰 
 

 第10地区の大谷茂義先生を団長に合計10名で4月29日〜5月5日まで中国を訪問まし
た。そして珠心算を中心に見学情報交換をしてきました。前回は、武漢・杭州・上海
でしたが、今回は、ハルビン・長春そして北京でした。見学は、黒龍江省ハルビンと
吉林省長春です。共に、幼児教育で4歳児から6歳児の子どもたちです。入園して間が
ない子から1年6ヶ月以上やっている子どもです。ハルビンでは、5桁2口の筆算
のような問題でも上位から答えを書いていきます。暗算で2桁×2桁の問題をほとんど
書き続けで計算をやっていきます。また5桁×3桁の問題を黒板に書いて説明していま
した。あんな小さな子どもたちが、それも日本の感覚では、そこまで指導できないで
あろうと思うことを可能にしていました。計算力と共に数学の勉強も同時にしています。
四則計算(この時は、掛けて割る問題やその逆、さらに分数の計算もしています。)も
暗算です。百聞は一見にしかずといいますが、目が丸くなりました。

 吉林では、まだ乗除は指導せず、3桁5口から5桁5口の見取暗算を見ました。もちろ
んそれ以外にも、読上算の風景なども見ています。数を読み取る練習や珠算の興味づ
けに日本の珠算塾と同じように読上暗算を使ってのゲームも見学しました。いわゆる
紅白対抗です。

 どちらも8時から4時ごろまで7時間授業です。自分のところの特性を生かした教育
と思われます。昼休みが2時間、40分授業が主です。吉林では、基本功という基礎基
本つまり躾だと個人的に推測しています。目の体操も入っていました。若い先生方も
使命感に燃えた迫力ある授業で子どもたちも一生懸命です。読上暗算で、ときどき宙
に右腕を持っていき指でそろばんをおいている風景は日本の珠算塾でも見かけます
が、それが両手で大きなジェスチャーでやっています。ほほえましい風景です。読上
算は、日本では「6百3十4円なり」と円と也をつけますが、中国の言葉で「6百3十4」と
いうだけです。

 北京で中国珠算協会の遅 海濱会長と約3時間にわたって会談しました。日本の尼
崎特区の珠算の話やボランティアの話は何度も質問がありました。中国では3年計画
で実験授業のデータをまとめ珠算の必要性と有効性を調べようとしています。好結果
が出れば全国的に数学教育に生かされると思われます。私たちもそれを願いたいと思
いました。

 珠算教育のあり方について大きな隔たりはありますが、子どもたちの底力を引き上げ
るということに関しては共通の認識です。これからは、連絡を密にしてお互いの見識
を深め、人間の計数感覚の向上に努めたいものです。
 
 追伸:中国にも珠算教室があることや珠算協会が先頭に立って珠算の先生を育てて
いる話も聞いてきました。とくに老齢化の進んでいる協会です。参考になると思いました。

 黒龍江省では、そろばんも普通の4つだまそろばんではありません。まだまだ書き
足りないところもありますが、なにはともあれ中国の算法を検討しなくてはなりません。
 

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