珠算界 近況報告 その2  to Index その1 その3 その4

(その2)の目次
2009年02月17日(火)塩谷文部科学大臣からの5つの提案
2009年02月17日(火)塩谷文部科学大臣との座談会開催される
2009年01月18日(日)東大阪珠算協会平成20年度珠算優良生徒表彰式典開催される
2009年01月14日(水)21年度日珠連予算案・事業計画案審議 
2008年12月 8日 (月)
守口門真珠算協会創立45周年記念祝賀会 

(その1)の目次
2008年11月23日 (日) NHK報道カメラマン柳澤忠志さん、TV企画部門金賞受賞
2008年11月18日 (火)  20年度第2回全国連合代表者会議開催される
2008年11月13日 (木) 11月正副理事長会+総務会開催される
2008年11月 9日 (日)(社)奈良県珠算協会60周年記念式典開催される
2008年11月 8日 (土) 大阪教育大学菅原邦雄教授と懇談
2008年11月 3日 (月) 大商分銅杯争奪第4回近畿小中学生珠算競技大会開催される

珠算関連ブログ「世界に広がるそろばん文化」より許可転載

 


塩谷文部科学大臣からの5つの提案 in Japan

■ 2月3日、文部科学大臣 塩谷 立さんは、「心を育む」ための5つの提案〜日本の良さを見直そう!〜を明らかにされた。文科省の公式HPにももちろん掲載されているが、今後広く教育界のみならず一般家庭までこの提案の趣旨を理解してもらうための広報活動が予定されている。

■今次の学習指導要領の改訂に当たって、教育行政を束ねる文部科学省としては、低下し続けてきた子供たちの基礎学力の歯止をいかにかけるのか、基礎学習能力をどのように向上させていくのかに重点を置いた。今ひとつは、子供たちが日本人としていかに立派な人物に育っていくのかについて、日本国としての基本的なスタンスとコンセプトを明らかにすることも合わせて重点項目に入れ込んだ。
 

■各家庭で、学校で、社会で、国家とともに、将来の日本を背負う子供たちの教育を考えていこうという方向性を明らかにした上で、具体的にはどのような方法でこの命題を解決して実現させていくのかを分かりやすく示したのがこの5つの提案である。

■立派な日本人を作り上げていくためのルール、目標、モデル、理念を明らかにした画期的な国の手本が、ガイドラインが示されたことは、現在の教育状況を考えるとき、極めて時機を得た発表であった。

■内容は以下のとおりである。
@「読み書きそろばん・外遊び」を推進する。
A校訓を見つめ直し、実践する。
B先人の生き方や本物の文化・芸術から学ぶ。
C家庭で、生活の基本的ルールをつくる。
D地域の力で、教育を支える。

■これらの各条項が実現されてくれば、日本の教育は質を高め、品格のあるものに変化していくことは間違いない。今までの教育に欠陥があることは周知のことであるが、このような具体的な処方箋が明らかにされることは非常に効果的なことといえる。しかも、文部科学大臣じきじきの筆になる箇条書き形式の提案書提示は今までになかったことであり、これからの反響と実践が大いに期待される。
 


塩谷文部科学大臣との座談会開催される at Toranomon

■2月16日5時から文部科学省大臣室で、塩谷 立文部科学大臣と珠算3団体の代表者との座談会が開催された。座談会出席者は、塩谷 立 文部科学大臣+梶川真秀 全国珠算教育連盟理事長+吉田松雄 全国珠算学校連盟会長+森友 建 日本珠算連盟理事長であった。

 

■司会は賀藤榮治 全国珠算教育団体連合会会長が務めた。また、山岡啓哲 ライター+房木芳雄 カメラマンが同席した。内容については、日本教育新聞社企画調査室の川崎宣政氏が企画編集・整理を担当した。

■当日の座談会の内容は、3月16日発行の『日本教育新聞』に全15段(1ページ)に編集して掲載される予定である。

■座談会のテーマは「新学習指導要領における算数・数学教育の充実に向けて」〜学力の向上へ、珠算教育で育まれるもの〜、であった。
サブテーマとしては、
@新学習指導要領では、大きく教育界の改革が行われようとしている。今、現状の子供たちの教育についてどのような見解を持っているか。
A新学習指導要領では、算数・数学の時間数が大幅に増加する。理数教育の充実を目指していると思うが、その背景とねらいは何か。
B 小学校でそろばんを扱う時間数が1学年分から2学年分に増えることになった。そろばんを2年にわたって指導することとした意義、珠算教育を支援している団体に対する期待などをお聞かせください。また、珠算教育を支援している団体はそれに対してどのような準備を進めているのか。
以上のような項目であった。

■森友からは、文部科学大臣に対して次のような発言をしておいた。
@2 月3日付けで塩谷大臣から、「心を育む」ための5つの提案〜日本の良さを見直そう!〜と言うタイトルの文書が公表された。文科省の公式HPにも掲載されているが、各方面に広報される予定の文書である。日本の教育のあり方、方向性、基本理念がしっかり織り込まれている内容である。教育に関わる私たち珠算人にとっても極めて有効な提案であると評価したい。
A指導要領改訂の生命線は、基礎基本の再構築であり、理数教育を強力に推進していくための施策の実現を目指すところにある。
そろばん指導が高く評価されて、指導学年も2学年に増加した理由もそこに帰着すると考えている。珠算人としては、そろばん指導の強化を通じて基礎学力の確保につながるように努力することが、日本の教育再生に貢献することにつながるので、今後最善の努力を払いたい。
B文科省が基礎力の再構築を実現して、子供たちの生きる力を取り戻そうと言う方向性は、珠算界の目指すものと全く同一のものであるので、子供たちの人間力獲得に向けて珠算教育強化を実現していきたい。
C大阪エリアでは、学校支援珠算指導活動の展開と教師たちの珠算指導力確保を目指す研修の強化を、教育委員会と珠算界が協同して行う方向で調整を進めている。
D全国にある約2万の珠算塾のエネルギーを、日本の教育再生を目指す文科省の活動に役立ててもらいたい。
E珠算学習の効果についての実験データが明らかになり、前頭前野を活性化し発達を促すことが判明した。そのことが子供たちの情緒を安定させ、学習意欲を向上させることにつながることも分かってきた。
F尼崎市の計算特区での実験指導が5年を経過したが、そろばん指導で算数科のみならず他の教科の成績向上にも寄与することが明らかになっってきた。
G外国人講座での22年間のそろばん指導で、そろばんの現代性、普遍性、世界性が明らかになってきた。また、そろばんは東洋の高度な異文化であり、特異な計算技術、ヒューマンなテクニックであるとの評価も固まってきた。

■上記のようなそろばん指導についての考え方を述べておいたが、今後の文科省が行う教育再生のための活動に役立つ有効な情報となれば幸いである。
 


東大阪珠算協会平成20年度珠算優良生徒表彰式典開催される
 
■1月18日東大阪市民会館で、東大阪珠算協会平成20年度珠算優良生徒表彰式典が開催された。
野田義和東大阪市長が臨席のもと、358名の珠算学習者が各種の表彰を受けた。

 

■各種表彰の受領方法が工夫されており、非常にスムーズに式典が運ばれ、爽やかさの中にも厳粛さを感じさせるいい内容の表彰式であった。
特に、ジュニア、キッズ表彰を受けた低学年の子供たちは、ステージの上で決められた様式を守るのに懸命で、ほのぼのとした雰囲気をかもし出していた。

■表彰を受けることの大事さ以外に、1人の人間として守らなければならない規律を身に付けてもらうのに、極めて有効な場になったものと思われる。子供たちは、教えられたことを実践することで身に付けていく習性があるので、親はもちろんのことであるが、珠算教師も彼らの人間教育に意を用いるべきであると感じさせられた。

 

■当協会には異才を持つ人材が多く、イベントの展開には各種の工夫が加えられていた。組織としてのまとまりと協同して事業を完遂していこうという気概を感じさせる場面が散見された。

■市長を初め各地の各種珠算団体関係者が多く参加し式典に花を添えていたのは、当協会経営者のリーダーシップの高さを示すものであった。
表彰を受けた生徒たちを代表して高校生の謝辞が述べられていたが、高校生としての勉学と珠算練習の両立の難しさを述べた後、習得した珠算を生かして社会に役立つ人間に成長したいと今後の抱負を述べていた。
彼は1級満点合格者としての表彰を受けたが、高校1年生にして社会貢献を果たしたいという将来の夢を披瀝できる成長度の高さに感銘を受けた。

■程よい緊張感を持続しながら軽快なテンポで式典の幕が下りる好感度の高い表彰式であった。
 


21年度日珠連予算案・事業計画案審議

■1月13日、東京フォーラムで日本珠算連盟の正副理事長会が開かれ、続いて総務会が開催された。主たる議案は21年度事業計画案と予算案の審議であった。
審議を終えた両議案は、3月の正副理事長会と総務会で最終の調整を行って、同月開催予定の代表理事会で承認を受ける。

■総務会は、常任理事全員も出席して開催されたが、冒頭に次のような概要の年頭所感を話した。
最初に、昨年秋からの金融・経済危機、イスラエルのガザ地区侵攻、20日に迫った黒人初の米国大統領就任、国内では政権選択を意味する解散・総選挙など、世界的規模の不安定要因を抱えた新年の幕開けであるが、思い切った価値観の転換が求められていることにふれた。

■日珠連の経営規範(原理原則)については3つの角度から話をした。
@自己規制・・品位と品格を確保できるように努力をしたい
A活動基準・・会員の利益を優先する+社会貢献の実現を計る
B指導基準・・基礎学力向上+生徒の人間作り+伝統文化伝承+脳機能開発

■平成21年度の年間業績については、珠算の評価が拡大していくと予想しておいた。
理由は、珠算指導が、@基礎学力向上に効果が期待できる A脳の開発・活性化に有効である B子供力・人間力確保につながる・・・の3つをあげておいた。

■珠算学習の普及・強化は教育再生に好影響を与え、社会貢献の実現に寄与できることを前提にして、今年度は内部蓄積からの先行投資を行い、再生産を可能にすることに軸足を置くことを組織の基本スタンスとして提言した。

■総務会終了後、日商において、宮城常務理事+坪田理事・事務局長+小野・立松両部長+中山専務+森友理事長が年頭の意見交換と懇談を行った。
昨年から、日商幹部との懇談を定期的に実施しているが、このことを通じて相互理解を深め、日珠連と日商の関係強化と連携を深めていくことで意見の一致を見ている。
珠算教育強化と日珠連の組織運営の効率化と業績向上を現実のものにするための新しい経営スタイルとして定着させていくつもりである。

 


 守口門真珠算協会創立45周年記念祝賀会

■ 12月7日、守口ロイヤルパインズホテルで、守口門真珠算協会創立45周年記念祝賀会が開催された。それに先立ち守口門真商工会館で第37回守口門真珠算選手権大会も開催された。

■祝賀会には、来賓10名、商工会議所からは専務理事以下6名、同協会会員18名が参加した。山田俊彦名誉会長(守口門真商工会議所専務理事)が開会の挨拶をし、来賓を代表して森友 建(日本珠算連盟理事長)が祝辞を述べた。

■全珠連大阪府支部 桜井行雄支部長の発声で乾杯、続いて祝宴に入った。その後、会員の小比賀 泉先生の日本舞踊があり、東大阪珠算協会山根正司会長発声の万歳三唱に続いて、大西信二会長から締めくくりの閉会挨拶が行われた。

冒頭の来賓を代表しての祝辞では、次のような新しい情報を織り込んだ。一つは、11月17日に文部科学省を表敬訪問し、塩谷文部科学大臣と他団体代表者とともに面談したが、その折に大臣からいくつかの発言があり、それらの概要をアナウンスした。


@ 小学校1年生にもそろばんを玩具のような形で持たせばいいのではないか。

A 小学生の基礎計算能力が低下していることは憂慮すべきことで、そろばんで梃子入れが出来ないだろうか。

B 日本は理数教育を目指しているが、計算能力の底上げを早急に図らなければならない。

C 小学校教員のそろばん指導力を確保しなければならない。

D 学校支援珠算指導活動を一層強力に展開してもらいたい。

■   以上のような内容の発言が大臣からあったが、このことは教育行政のなかで珠算の評価が急速に高まってきていることを立証するものである。珠算指導が子供たちの基礎学力向上に効果があり、子供力・人間力の獲得に有効であることが理解されてきたことの証左でもある。

■ また、11月29日に、MBS毎日ラジオの収録を行ったが、対談相手の大月アナからそろばんの魅力とそろばんの力について質問が出た。
@ そろばんの魅力は・・・そろばん練習は頭脳の活性化をもたらし、このことが子供たちの情緒を安定させ、自主性を高め、学習意欲を向上させる。即ち、子供たちが自分自身を自分でコントロールできるようになることがそろばんの最大の魅力である。
A そろばんの力・・・そろばん学習は子供たちの人間としての基盤・骨格・根本を形作るが、それがそろばんの力である。

■   二つの質問には以上のような回答を示しておいた。
紹介したような事例は、今、珠算教育再評価の機運が高まっていることを示すものであり、今こそ、何としても珠算人の力を結集しなければならない。
大きな集会ではなかったが、珠算に対する情熱をしっかりと持つ人たちの集まりであったので、祝辞の内容には共感を得られたのではと期待している。

 

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