第二講座 「暗算指導の工夫あれこれ」 講習レポート 2011/11/19
        ~ 初歩から2級合格まで ~ 常務理事 西川 春男 先生

 

 

 暗算指導はまだ未知数の世界です。そろばん指導に比べ確立されていません。百人百例の指導法があるのではないでしょうか。その一例ではありますが、パソコンを使って何通りにも練習できる方法をご紹介したいと思います。

 

4798

 

1、「乗暗算」(※表⑴参照)
会場では2桁10口加算の問題が提示されました。誰しもが、見取暗算と思われるこの問題を使って×暗算をします。
あくまでも生徒には、見取暗算の問題1題と、掛ける数を提示しただけです。
 1桁で10点をとれば2桁へ、2桁で10点とれば3桁へと進み、生徒は次なる挑戦を行います。
 見取算、見取暗算から入力するだけ。問題は限りなく作れます。答えの準備をする必要もありません。このように問題集から、又は同一プリントを与えれば、教室の中にランダムに級があっても一面で対処できます。
上級のクラスになれば、A欄に3桁、掛ける数に2桁、3桁、4桁を入力すれば、一堂に会して段の練習となります。


・「下級の暗算練習について」(5桁の見取暗算を使用)(※表⑵参照)
生徒は自分に合った桁数で練習します。
易しくするなら×2で、0忘れの対処なら×5で、少し複雑にするなら×8と、変えるだけです。
 かけ算の問題は、実×法の明記がないといけないという先入観は捨てて下さい。数字が並び、掛ける数を示す、それで良いのです。エクセルのソフトを使うことで、実力差があっても共通の問題で同時に練習が可能です。

 

4800

 

2、「ティップス集による読上暗算の練習」
=暗算の基本は読上暗算にあり=

 

・位取りの練習
読上暗算で位取りの練習をする時、3~5桁の問題であれば、最初に5桁を読み上げる事で、その5桁をしっかりと映像化し固定してしまいます。その上に3~4桁を部分的に動かすのでご名算に導き易くなります。難しい問題をいかに簡単に合わすようにさせるかです。

 

・リズムを変える
読み手が詰まったり、或いは調子が変わったりすると、戸惑って置く手を止めてしまう生徒がいます。競技会でもよくある事です。調子を狂わす練習は日々して下さい。
検定試験へ大会へと、本番に臨んだ時、不測の事態に備える為の練習が本来の練習なのです。

 

・ちょっと聞き取りにくい
意識して、聞き取りにくく読む事も必要です。
迷わず、考えず、素直に聞いたままストレートに置かせる。又、題数ではなく、生徒を引き付け、真剣な1題を置かせる事も重要だと思います。

 

・引き算の練習
暗算では映像を消す事が難しいです。これは圧倒的に引き算の練習量が不足しているからです。
加減算10口では、7口を足し、3口を引くのが通常ですがこれを逆転させます。(答は補数で見る)。引き算の練習量を増やす事で映像を消す能力も高まります。

 

・2面算(盤面の並行・上下・左右)
最近では複合2面算も行います。1面が算盤、2面が暗算、交互に読み上げます。1面を置きながら2面の映像を忘れない練習です。子供の能力はすごいもので、すぐに適応し習得します。

 

・也(なり)抜き
也を抜いて読み上げます。フラッシュ暗算に近いスピードです。

 

・円抜き
見取暗算に通じる練習です。超ハイスピードに成り得ますが、程良い速度で。

 

・スライド計算
数字を1桁ずつ、ずらして置いていきます。×暗算の要領です。読上暗算でこれを導入すれば、×暗算の指導は非常に簡単になり、桁幅を増やす訓練にもなります。

 

★ティップス集は、迷路に入った時の道標として、又、幅広い指導法を会得するために存在します。そして論評を加えて頂きたいと思っております。論議を重ね、一層よりよい物となり、珠算指導の「温故知新」として、未来へ繋がる物となることを願っております。

 

4832

 

3、「除暗算」※表⑶参照)

 

・立商のスピード
6桁(A欄)÷1桁(C欄)。答は2・3・4桁と求める。3級進級時に正解107を、17・170とする生徒には良い練習です。

 

・確商の練習
6桁÷2桁(D欄)。答は1・2・3桁と求める。割り切れない問題なので、末位まで有効的な練習になります。

 

・大きな桁の確商練習
6桁÷3桁(E欄)。答は1・2・3桁と求める。

 

4、「見取暗算」(※表⑷参照)
5桁5口の問題です。一括で置かせようとする時、前の数字2桁を練習する生徒や3桁・4桁・5桁に挑戦する生徒が一斉にします。すると競争心が湧きます。いかに、目の前の走者がわかる陸上競技のようにするかが、大切ではないでしょうか。

 

◎今後は暗算の指導が重点になってきます。どのような方法で暗算力を身に付けさせる指導をするのかがポイントです。
知識、思考の結集により手立てて行けば、これからの珠算の生きる道はあると思います。

 

 この後、先生方の地域の環境に合った土壌で、光を当て、水を与え、ご自身の手で結実させて頂ければ、これに勝る幸いはございません。
有難うございました。


(教養委員 赤井良子)

 

珠算月報716号より承認転載

back  top

4651

 

4759

 

4769

 

4806

 

4814

 

4816

 

4818

 

4825

 

4829

 

4856

 

4857

 

4862