珠算教育強化・連合委員会が開催される in Nagoya

■6月27日、名古屋城三の丸南東にある名古屋市政資料館で平成21年度第1回珠算教育強化・連合委員会が開催された。委員会には、本部から森友理事長、草柳委員長、迫田副委員長、早瀬委員、磯田委員が参加し、オブザーバーとして鈴木副理事長と浅野常任理事が同席した。

 

■第15回目になる有識者との懇談は、四日市大学の数学史・数学教育を専門とする小川 束教授を招き、「江戸時代の円周率計算」をテーマに講演を聴き、続いて質疑応答を行った。その後委員会を開催し、懇親会で締めくくった。

 

■懇談は、

 

①小川教授の研究フィールドである数学史、科学技術史と演題の江戸期の数学について 

②日本数学協会と珠算界のかかわりについて 

③第2次有識者懇談会の展開について 

④これからの珠算教育について

 

などを題材にして意見の交換を行った。

 

■内容としては、

 

①江戸期を通じて行われていた円周率の計算は、現在の珠算の達人でもむずかしい作業であることが、高段者に参加してもらって行った実験で分かった 

②江戸期の研究者たちが、そろばんを使って円周率計算を行っていた内容は、当時の世界レベルに匹敵するものであった 

③算数・数学とそろばんの接点をどこに求めるかは難しい問題である 

④小学校算数科の計算部分をそろばんで行うと仮定するとどう対応できるのかは研究課題になる 

⑤小学校算数科を筆算を使わないでそろばんで指導すると仮定すると、どのような教科書が出来上がるかは興味深い研究課題である 

⑥筆算の利点とそろばんの利点を比較検討することも必要ではないか 

⑦算数科の単元ごとにそろばんをどこまで指導すれば対応できるかを計測すれば面白い 

⑧第1次そろばん有識者懇談会の報告書の内容は数学者からみて興味深いものがある 

⑨江戸期に発刊された各種の数学書をそろばんを使いながら読了していけば何かが見えてくるかも知れない

 

などが話題となった。

 

■「今なぜそろばんなのか」をテーマに第1次有識者懇談会で研究を行い報告書にまとめたが、今回の懇談を通じてもっとそろばんの本質の部分を議論していかねばならないということが判明した。日本にそろばんが移入されて500年が経過したが、そろばんとは何かについて誰もが納得できる回答を得るには、もっと時間が必要であるということなのかも知れない。懇談を通じて、大事な研究のヒントが見えたと言ってもいい。

珠算関連ブログ『世界に広がるそろばん文化』より承認転載

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