珠研 No.60 選手の練習法 Player’s practice method   川上 巌

大変な課題を戴きまして、正直なところ困惑をしております0珠算王国「大阪には競技の大御所がたくさんおられます0僕の意見を述べてよいものかどぅか迷いましたが、指名を受けました以上・腹をくくって書いてみましょう。


 まずは、うちの授業形態からです。

 週3日制の教室が2ヶ所、距離にして約40キロ離れていますので、生徒が 週に4回以上通うことは、日曜日や祝日に教室を開放しない限り不可能です。開けたことがない。


 目標にしていることは検定試験では日本珠算連盟の暗算十段、競技大会では近畿レベルの大会での優勝、全国レベルの入賞。


 さて、目標を立てるのは簡単ですが、ここからがどうするかです。
 以前、月報でも書かせていただきましたが、僕自身は、昔からあるワープロやパソコンなどは一切換えません。もう・ここで行き詰まっていますよね。練習問題に関しましては、大会用やオリジナルのものまで他の先生方の助けを受 けています。


 足りない部分は、色んな所から引っぼり出して問題を切りはりしたり手書きで補うしか方法はありません。作業としては、時間は必要ですが誰でも出来ます。僕は、こうするしか仕方がないので……。


 次に生徒です。暗算十段とか、そこそこのレベルの大会で勝とうと思えば誰でも良いと言う訳にはいきません。そこで、ポイントになる部分が数点あります。一番、大事な部分です。


①普段の授業の進め方を競技に重きを置いてやる。6級以上位が適当と考えています。(競技式の練習は検定練習を充分兼ねていると思っております。)そこに至るまでは見取算や見取暗算を中心に時間をかけてゆっくりと力をつけさせること。


②本人自身が、競技大会などに出場して活躍してみたい意思があるかどうか、そして保護者もそれを望んでいるかどうか。この部分は必ず確認する必要があります。ここを無視して進めてしまうと親の協力は得られません。


③ 本人がある一定レベルの実力を兼ね備えているかどうかの見極めも必要です。僕は、そこの部分は、個々の生徒の練習時間を徐々に増やしていき1時間30分程度我慢してやれれば大丈夫と判断しています。


 これで、条件は揃いました。次は練習の方法です。②と③をクリアした生徒には、最低1時間30分から最高2時間20分程度の練習課題のノルマを与えています。過3日制ですので授業のない時は、自宅で20~30分位で仕上がるプリントを宿題として出しています。


 当教室では、このような練習を実際にこなしている生徒は、平成21年3月現在で20名です。内訳はA教室が15名、B教室が5名です。


 ここで、ひとつ悩みが生じます。このような生徒達は大会に向けて一斉授業が行なえれば理想ですが、昨今の珠算界の現状を見渡すと、そううまく事は運びません。実態は知りませんが多くの教室では、自由時間制だと思います。うちもそうです。


 その20名も上は、暗算九段から下は4級とバラエティ?に富んでいます。従いまして、個々に手渡す練習プリントの内容はバラバラになります。


 基本は、本人の実力より一段階上のものをと考えています。ここは指導者の判断になりますので紙面の都合上、具体例は差し控えます。


 そのようなプリント類を来塾した順番に手渡し全問させていき、当然やり直しをしてもらいます。だらだらさせないこととスピードをつけさせる為に、制限時間を計るのではなく、何分何秒で全問解答できたかをチェックさせます。


 複数の生徒が揃った時には、一人できたらその種目を終了とか、一人を残して終了とか、個人の能力によりハンデをつけてやってみるとかの方法があります。


 普段の練習ではタイムを計らないを基本にしています。

 実際の競技大会に向けては、どうかと言いますと、例えば目標の大会が1ケ月後とする場合。


 最初の一日目は、過去問題をタイムをとって得点を出します。一週目の次の授業から三週目にかけては、本番の大会より少し難しい問題をさせるのが理想と考えています。そして、最終週に目一杯大会用の練習をします。当教室では、これができた時は成績が上がっています。実際問題として試合数が多すぎてうまくは行ってませんが、出場する大会を絞るのもいいかと思います。


 そして、最後に、練習中は厳しく指導、注意をすることがあっても、結果については、何も言わないことにしています。


 良い成績の生徒は誉めて、残念だった子には、ねぎらいの言葉で締めます。
 また、大会参加に関しては出場を強制しないことです。団体競技のある大会では、エースが欠場となれば指導者としては残念なこと、この上ありませんが、先生の我を出してはならないと思います。


 以上、想いのまま書き連れましたが、僕でも出来ることなので誰でもやれると感じました。


以 上

 

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