珠研 No.60 符丁について 5号会員 村上 耕一
学校に在職中、あるとき国語の先生から「これは、何でしょうか?」と尋ねられた。
そのコピーには、
『銭の数のあだな』
東海道中にて、馬子よぼろなどのいふ、銭の数のあだなを彼らにきゝて、五ノガレン、
〆ノ字、十五文、百五十文ナドノコトキトキノ五数を云。
一、ソク ゴロメク ヲフセ 二、リャンコ ジバ
三、ヤミ ウロコ ゲタ 四、ダリ スウ リウ サゝキ
五、ムメ ゲンコ 六、イデ 小六
七、サイナン 八、坂東
九、キワ ガケ 百、コス
百十文、ソクナラビ 二百五十文、ヤッコ とありました。
これは、馬子、駕籠屋などの隠語で「符丁(符牒・符帳)」という。
日本では古くから商取引の際、特定の仲間(座)内だけに通用する「暗号・隠語」を用いることが多い。職業によってその業界独特の「符丁」があって、その店のみで通用するものを「内符丁」といい、これに対して特定の業界で通用するものを「通り符丁」または「外符丁」という。
「符丁」は、その取引の迅速な処理や同業種の秘密保持などの必要性から発生し、慣習となったと言える。昔から商品の売買では、値切られる習慣があったため、仕入値段を切ることのないよう正札に記したり、問屋ソロバンに底板があるように、交渉の内容が他の客に知られないなどのために生まれたらしい。
同じ業界でも、時代や地域によって異なるが、どれも普通は口頭で使うので、同じ音や聞き違いしそうな似かよった音の重複は避けて、九または十にあてはめている。
また、言葉としては、縁起をかつぐ文句、いろは歌からとった文句、数え歌からとったもの、紋所や物の形・数字の形からとったもの、あるいは全く意味や起源(語源)のわからないものなどがあるが、日本語の持つ一種の遊び心「洒落言葉」を見ることができる。
前述の符丁の意味を広辞苑などで調べてみると、つぎの通りであった。
「よぼろ・丁」もと脚のひかがみ(膝のうしろのくぼんでいる所)の意。脚力を要することから、古代の課役を負担した成年男子、特に、朝廷の土木工事に使役された者、貢納物の運搬夫は「脚」と記す。
「ガレン」馬方・駕籠舁き・行商人などが使う隠語で、五・五十・五百をいう。
「ソク・束」一・十・百をいう。
「リャンコ・両」数の2、特に拳(けん)での呼称。両個。りゃんは唐音。
「ジバ」かごかき、馬方の符牒で、2をいう。20、200にも通ずる。
「ヤミ・闇」陰暦の月の三十日は闇夜なので、三・三十・三百などの数。船頭も用いた。
「ウロコ」うろこ形は三角なので、三・三十・三百。
「ゲタ」下駄には、鼻緒をすげるための三つの穴があるから、三・三十・三百。
「ダリ」四のこと。
「スウ」中国語の四。
「リウ」六の間違い?、りゅうは中国語。
「サゝキ」宇多(近江)源氏「佐々木氏」の紋所が「四つ目」であることから四をいう。
「ムメ」梅のことを「むめ」ともいう。天神さんの「梅鉢」の紋所からきている。
「ゲンコ」五本の指を握って示すので、五・五十のことをいう。拳固。
「イデ」六をいう。いではさてと同じで、改めて説き起こすということから、片手が終って、改めてもう一方の手で始めるということからか。
「小六」小六節。江戸初期の流行歌で、慶長のころ、江戸赤坂に住んでいた美男の馬方「関東小六」を唄ったもの。
「サイナン」七のこと。
「坂東」江戸時代「坂東」は八か国から成るところから八をいう。
「キワ」物事のきわまったところをいう。かぎり。はて。
「ガケ」キワと同じで、尽きるところをいう。
「ソクナラビ」11、110。ソク=1が並んでいるからいう。
他に、縁起や意味で分かったものをいくつかあげてみると。
◎ 江戸時代に魚市場で用いた、①さ②り③と④は⑤お⑥も⑦し⑧ろ⑨い、について。
これは、天正のころ、秀吉が雑喉場を見物したとき「さりとは、おもしろい」と言った言葉に始まると伝えられているが、定かではない。
◎青物商の、①ム②メ③サ④ク⑤ラ⑥マ⑦ツ⑧タ⑨ケ、は「梅桜松竹」である。
◎荒物商の、①つ②る③か④め⑤ま⑥ひ⑦あ⑧そ⑨ぶ、は「鶴亀舞ひ遊ぶ」
◎生糸商の、①せ②か③い④み⑤な⑥よ⑦ろ⑧こ⑨ぶ、は「世界皆喜ぶ」
◎藍玉商の、①え②び③す④の⑤わ⑥ら⑦ひ⑧が⑨ほ、は「恵比寿の笑ひ顔」
◎花柳界の、①お②き③や④く⑤は⑥た⑦い⑧せ⑨つ、は「お客は大切」
◎興信所の、①い②つ③ま④で⑤も⑥さ⑦か⑧え⑨る、は「いつまでも栄える」
◎タクシーの、①か②ね③も④う⑤け⑥は⑦こ⑧れ⑨で⑩す、は「金儲けはこれです」
◎他に、①しよこは、一本線のしを横にしてみる。①ぼうは、縦棒(|)である。①ステッキは、杖の棒である。②りよこ(いよこ)は、リ(い)の字を横にしたもの。②のんは、のの字のしたに、んをつけると、2の字となる。③かわよこは、川を横にしたもの。③みみは、3の形が、耳の形である。④つきよこは、月を横にすると匹のように見える。④けは、ヶを上下反対から見ると、4に見える。④ツジは、四辻のことで4。⑤まんぼうは、万の字の下に横棒(━)を引くと五になる。⑤ほかけは、五の字が帆かけ舟の形に似ている。⑥てんぼうは、三点∴の間に━をひくと六になる。⑥ひしゃくは、6の字を横にしてみると、柄杓の形である。⑦かぎは、7は、鍵型そのものである。⑦うらかは、カの字を裏から見ると七である。⑧ひょうたんも、8で瓢箪型そのもの。⑨おつのは、乙とノで九になる。⑨うらさは、さを左から見ると九に見える。⑨あぶないは、崖っぷちは危険であるから。
などで、意味がわかると大変おもしろい。
『新編 単位の辞典』などから、抜き出してみました。
江=江戸、明=明治、大=大正、昭=昭和、後=戦後 である。
1.駕籠屋系
江戸時代から、馬方・駕籠屋・などの間に使われたもので、これが日本談話体符丁の根幹をなすものであろうといわれ、いろいろ多く使われて変化も多い。
駕籠屋(江)①そく②ぶり③きり④だり⑤がれん⑥ろんじ⑦さいなん⑧ばんどう⑨きわ
〃 (明)①おじ②じば③やみ④だり⑤げんこ⑥ろんじ⑦せえなん⑧ばんどお⑨きわ⑩どて
青物・漬物商 ①つべ②ぶく③きく④だり⑤がれん⑥ろんじ⑦せえなん⑧ばんどお⑨きわ⑩どて
魚小売 ①そく②ぶり③きり④だり⑤め⑥ろんじ⑦せいなん⑧ばんどお⑨きわ⑩ちよお
生魚商 ①そく②てん③ちから④だれ⑤おんて⑥かい⑦たきぎ⑧ばん⑨きわ
陸前 魚商 ①そく②ぶけ③きり④だり⑤がれん⑥ろんじ⑦さいなん⑧ばんど⑨きわ
京阪 車夫(大)①もり②また③やみ④へい⑤さし⑥つち⑦ほしせん⑧ばんどう⑨きま⑩やりな
青物商(昭)①よろず②だり③げた④だう⑤がれん⑥いで⑦ゆせいなん⑧ばんどお⑨きわ
〃 ①ひん②めえじ③たゆう④う⑤げのじ⑥かみ⑦ほし⑧ばんど⑨きわ
妓夫・料理人①よろず②じのじ③げた④だり⑤めのじ⑥ろんじ⑦せえなん⑧ばんどお⑨きわ
車 力 ①てん②じわせん③やみしう④だれ⑤はんこ⑥ころく⑦ほし⑧ばんどお⑨きわ
植木屋 ①てき②ばら③うろこ④まや⑤ちょうはん⑥ろんじ⑦せえなん⑧ばんどお⑨きわ
江の島魚商 ①すめ②べん③げた④だり⑤めのじ⑥ろんじ⑦せあなん⑧ばんどお⑨きわ
奈良 青果 ①びん②てん③ちから④だり⑤おんて⑥かい⑦たまや⑧ばんど⑨きわ⑩まる
岡山 魚商 ①ひゃく②また③やま④だれ⑤たの⑥すの⑦びり⑧ばんしゆ⑨りきわ.
尾道 魚業 ①もりた②また③きりた④えもん⑤げんこし⑥でし⑦おき⑧やした⑨きわ
北九州魚屋 ①もうちゃん②りゃこん③てんげ④だり⑤いしや⑥ちょうがん⑦のだ⑧ため⑨きわ
北九州 ? ①はや②ふる③かつち④めつた⑤ちょうわん⑥じぞう⑦たなばた⑧あつた⑨くれむつ⑩はやじゅう
北九州魚市場①すか②りゃん③でん④かす⑤ごろ⑥がっちゃり⑦よし⑧ため⑨きれ⑩すか
北九州八百屋①しゃぶ②じやん③てん④まさ⑤げん⑥だた⑦よし⑧ため⑨ちわ
小倉青物商①こい②また③きり④だり⑤げんこ⑥ちょうがん⑦ちょうしち⑧あたり⑨きわ
福岡青物商①ぼうず②りゃん③てんじょきり④だり⑤げんこ⑥ちょうがん⑦ちょうしち⑧ばんしゅ⑨きわ
2.南京符牒系
数の呼び方の中国音で造った符牒で、中国と取引のあった薬種屋、絵具屋、砂糖屋などは中国音を用いた。
南京符牒(原系)①イー②リャン③サン④スー⑤ウー⑥リュウ⑦チー⑧パー⑨チュー⑩シ
薬・絵具・砂糖商(江)①たに②りゃん③さん④すう⑤うう⑥ろま⑦ちま⑧はま⑨きわ⑩たにまる
拳(新式)①いい②りゃん③さん④すう⑤うう⑥りう⑦ちえい⑧ぱま⑨くわい
拳(旧式)①たに②りゃん③さんな④すむゆ⑤ごうさい⑥ろま⑦ちゑさい⑧ぱま⑨きゅう
3.算用数字系
アラビア数字の形を身近にあるものの形に見立てたものでいろいろある。
横浜商社(明)①ぼお②のいち③る④はさみばこ⑤かお⑥はな⑦かぎ⑧ひょうたん⑨たかはり
盗 賊(大)①すてっき②のん③みみ④け⑤せむし⑥しゃくし⑦かぎ⑧ひょおたん⑨しゃく⑩すてっきまんじゅう
(盗賊があるのが、おもしろい)
会 社(昭)①しいや②のん③みみ④ぬけ⑤てら⑥はな⑦かぎ⑧たこ⑨わらび
自転車商 ①ぼお②のおん③のおのお④れえぼう⑤より⑥ぼうまる⑦つうぼお⑧えす ⑨まるぼう
4.字謎系
江戸時代の記録に見えているもので、漢字の利用である。「旦底系」「大無人系」「千横系」がある。
『塵劫記』(1627年・吉田光由著)第四 「田の名」の条に、
「壹・一・丁不句」「貮・二・示不小」「参・三・王不直」「肆・四・罪不非」「伍・五・吾不口」「陸・六・交不乂」「漆・七・皀不白」「捌・八・分不刀」「玖・九・丸不点」「拾・十・針不金」が出ている。
大矢真一校注『塵劫記』注書によれば「壹、貮、参…は一、二、三…の代わりに用い、書物の改竄を防ごうとしたもので、代字・大字などと呼ばれる。奈良時代の『正税帳』にすでに用いられている。また、桂川中良の『桂林漫録』の『市語』の条に『東都の一大刹に数字の廋辞(かくしことば)あり』として、『大無人(大に人なし)』……」と記している。
なお、中国産書の『盤珠算法』(1573年刊)などには、「馬子暗碼」なるものが載せられているが、これについては別稿としたい。
『桂林漫録』①旦底②断工③横川④側目⑤献歯丑⑥撒大⑦毛根⑧入開⑨未丸⑩田心
僧 侶(江)①大無人②天無人③王無中④罪無非⑤吾無口⑥交無人⑦切無刀⑧分無刀⑨丸無ゝ⑩千無ノ(ゝ)
学 生 ①大無人②天無人③王無棒④西無一⑤吾無口⑥立無一⑦切無刀⑧釜無金⑨丸無点 ⑩針無金
宿 屋(明)①しよん②いよん③かわよん④つきよん⑤まんぼう⑥てんぼう⑦はがよん ⑧はとむかい⑨うらさ
宿 屋(昭)①しよこ②り(い)よこ③かわよこ④つきよこ⑤まんぼう⑥てんほし・てんぼう⑦はがよこ⑧むかえ⑨うらさ
鰻・鶏・卵商①千(せん)②里(り)③川④月⑤丁⑥天(てん)⑦カ⑧ツ⑨丸(まる)
川魚商 ①千②り③川④月⑤長⑥天⑦カ⑧ツ⑨○(まる)
富山 ? ①よこぼお②りよこ③かわよこ④つきよこ⑤さくら⑥ろおま⑦たなばた⑧やま ⑨きわ⑩ぼおよこまる
東京 不良 ①しよこ②りよこ③かわよこ④つきよこ⑤ほかけ⑥とおか⑦うらか(カ)⑧ねずみ⑨おつの(乙・ノ)
学 生 ①大②天③王④罪⑤吾⑥立⑦切⑧釜⑨丸
5.画数符牒
南京符牒の記載用符号とよく似たものである。
干魚商(昭) ①丁(ちょお)②イ(にんべん)③△(うろこ)④#(ゐげた) ⑤メ(みんじ)⑥|(ぼお)⑦ナ(な)⑧八(はん)⑨久(きう)
下駄直し ①だいまる②やままる③うろまる④つじまる⑤かたり⑥りうまる⑦しゃくまる⑧ぬけまる⑨きう⑩だい
6.数え歌系
数え歌の『大黒さん』
「1に俵をふんまえて 2ににっこり笑わんす 3に酒を飲ましゃんす 4つ世の中よいように 5ついつもの如くにて 6つ無病息才(災)に 7つ何事ないように 8つ屋敷を建て広め 9つ小蔵を建てならべ 10でとっくり治まった」という数え歌から漢字を一字ずつとったので「大黒符牒」とよばれる。
呉服商(明)①俵(たわら)②笑(わらい)③酒(さけ)④中(なか)⑤如(ごとく)・女(おなご)⑥才(さい)⑦事(こと)⑧敷(しき)⑨蔵(くら)
7.漢字文句系
漢字を一字ずつあてはめたもの。
呉服商(明) ①元(もと)②千(せん)③夕(ゆう)④吉(よし)⑤大(だい)⑥才(さい)⑦末(すえ)⑧平(ひら)⑨川(かわ)⑩上(かみ)
呉服・太物・足袋商①元(もと)②千(せん)③原(はら)④勇(ゆう)⑤吉(よし)⑥大(だい)⑦才(さい)⑧末(すえ)⑨平(ひら)⑩川(かわ)
茶 商 ①ノ②和(わ)③山(やま)④レ(れ)⑤○(まる)⑥べえ⑦吉(きち)⑧〆(しめ)⑨申(まおす)
木綿商 ①土(つち)②下(した)③寺(てら)④年(とし)⑤伊(い)・イ⑥春(はる)⑦保(ほ)・ホ⑧大(だい)⑨久(きゅう)
小間物商 ①人(ひと)②平(へい)③生(せい)④丸(まる)⑤力(りき)⑥モ⑦ノ⑧片(かた)⑨リ
茶 商(昭)①野(の)・ノ②和(わ)・ハ③山(やま)④礼(れえ)・レ⑤丸(まる)・○
⑥棒(ぼう)・ホ⑦吉(きち)⑧目(め)・〆⑨申(まおす)・ア
8.香具師系
香具すなわち、香道に用いる器具を造る人・売る人が主に使った。駕籠屋系とともに広く使われ、変化した形も多い。古くから使われているもので、符牒の由来は何か拠り所は全くわからない。
香具師(江) ①やり②ふり③ちか④ため⑤しづか⑥みづ⑦おき⑧あった⑨きわ
露 店(明) ①はい②ふり③かち④ため⑤しづか⑥みづ⑦おき⑧あった⑨がけ⑩やり
夜 店 ①ちぎ②はら③たいい④まや⑤ちょはん⑥みず⑦おき⑧あつ⑨あぶない
肴 屋(大) ①そく②ふり③かち④ため⑤しずか⑥みず⑦おき⑧あった⑨がけ⑩やり
理髪師(昭) ①やり②りふ③かち④めった⑤しずか⑥みず⑦おき⑧あすた⑨きわ
高松 香具 ①やり②ふり③かち④ため⑤ずか⑥みず⑦おき⑧あった⑨あぶない⑩はい
香具師(後) ①やり②ふり③かち④ため⑤ずか⑥みず⑦おき⑧あった⑨がけ
大阪 香具 ①やり②ふり③かち④ため⑤てぶ⑥みち⑦なき⑧あった⑨きわ⑩いっぱい
八幡 不良 ①やく②ふり③やち④ため⑤ずか⑥みず⑦おき⑧かち⑨きわ
9・博徒用語系
名古屋(昭) ①ぴん②にぞお③さんずん④よつや⑤ごけ⑥ろっぽん⑦しちん ⑧ちょうべい⑨かぶ⑩ぶた
盛 岡(後) ①ぴん②にぞお③さんずん④よつや⑤ごけ⑥ろっぽう⑦しちや
⑧ちょうへい⑨かぶ
10.せんぼ系
「せんぼ」とは、操り・浄瑠璃幕内連中などと呼ばれた人達の楽屋言葉である「せんぼ系」は、だいたい紋所に基づいているらしい。
せんぼ(江) ①へい②まえびき③おやまこ④よつぼし⑤かたこぶし⑥むつぼし ⑦ななつぼし⑧やつぼし⑨きわ
役者理髪師(昭)①へい②びき③やま④ささき⑤かたこ・かた⑥さなだ⑦たぬま⑧やはた
⑨きわ
11.干支系
大正時代、東京の古本屋で使われた。
古本商 ①子②丑③寅④卯⑤辰⑥巳⑦午⑧未⑨申⑩酉 (100)戌 (1000)亥
12.いろは系・五十音図系
二度同じ音が出ないよう、9か10の音節でまとまった文句になるように選び出すことが面倒な者は「いろは歌」や「五十音図」から選ぶことを考えた。
煙草商 ①い②ろ③は④に⑤ほ⑥へ⑦と⑧ち⑨り
質 商 ①ア②カ③サ④タ⑤ナ⑥ハ➆マ⑧ヤ⑨ラ⑩ワ
古本屋 ①お②こ③そ④と⑤の⑥ほ⑦も⑧よ⑨ろ⑩を
13.単位名系
いろは系・五十音図系と同じように機械的な方法で使われた。
陶器商 ①分②厘③〆(貫)④斤⑤両(反)⑥間⑦丈⑧尺⑨寸
〃 ①分・フン②厘・リン③貫・クワン④斤・キン⑤両・リウ⑥間・ケン⑦丈・ヂウ⑧尺・シャク⑨寸・スン
京都青物商(明) ①正・しょう②如・きさ③弥・やあ④卯・うう⑤雨・あめ ⑥神・かみ⑦星・ほし⑧月・つき⑨菊・きく
〃 (大) ①棒・ぼう②天・てん③だいく④うのすけ⑤雨・あめ⑥神・かみ⑦星・ほし⑧月・つき⑨菊・きく
14.縁起文句系
この形は、個人商店から始まったらしく、記載用から談話用に転じたと思われる。
糸 商(明) ①え②び③す④だ⑤い⑥こ⑦く⑧げ⑨ほ⑩う
藍玉商 ①え②び③す④の⑤わ⑥ら⑦ひ⑧が⑨ほ
青物商 ①む②め③さ④く⑤ら⑥ま⑦つ⑧た⑨け
米穀商 ①あ②き③な④い⑤の⑥め⑦で⑧た⑨さ
生糸商 ①せ②か③い④み⑤な⑥よ⑦ろ⑧こ⑨ぶ
半衿商 ①い②つ③ま④で⑤も⑥よ⑦ろ⑧こ⑨ぶ
煙草・荒物商(大) ①つ②る③か④め⑤ま⑥ひ⑦あ⑧そ⑨ぶ
魚小売商 ①あ②き③な④ひ⑤の⑥し⑦や⑧わ⑨せ
乾物・雑穀商 ①あ②き③な④ひ⑤た⑥か⑦ら⑧ぶ⑨ね
塩魚商 ①よ②は③み④な⑤た⑥か⑦ら⑧ぶ⑨ね
タクシー ①か②ね③も④う⑤け⑥は⑦こ⑧れ⑨で⑩す
遊女屋 ①お②じ③さ④ん⑤は⑥い⑦ま⑧に⑨く⑩る
下駄商(昭) ①あ②さ③か④ら⑤ふ⑥く⑦え⑧び⑨す
海産物商 ①や②す③く④う⑤れ⑥よ⑦ろ⑧こ⑨ぶ
露 店 ①い②つ③も④ふ⑤け⑥い⑦き⑧な⑨し
夜 店 ①こ②ん③や④は⑤よ⑥く⑦さ⑧か⑨る
塩魚商 ①よ②ろ③し④か⑤る⑥べ⑦き⑧こ⑨と
料理店 ①ね②こ③か④じ⑤れ⑥き⑦や⑧く⑨よ⑩べ
木綿商 ①い②せ③ま④つ⑤り⑥か⑦ち⑧ら⑨し⑩ぶ
バー女給 ①あ②の③き④や⑤く⑥は⑦の⑧ろ⑨ま
文具和紙商 ①イ②コ③ヨ④キ⑤キュウ(久)⑥クライ(位)⑦ホ⑧チ⑨リ⑩タ(100)正
玩具商 ①ヨ②シ③ノ④ヤ⑤マ⑥フ⑦ク⑧キ⑨タ⑩リ
花柳界 ①オ②キ③ヤ④ク⑤ハ⑥タ⑦イ⑧セ⑨ツ
バ - ①サ②ケ③ノ④ミ⑤ハ⑥フ⑦ク⑧ノ⑨カ⑩ミ
待 合 ①ツ②レ③コ④ミ⑤ハ⑥カ⑦ネ⑧ニ⑨ナ⑩ル
芸 者 ①ヨ②ノ③ナ④カ⑤ハ⑥フ⑦タ⑧リ⑨ヅ⑩レ
15.系統不明のもの
系統のわからない符牒もいろいろある。
材木・大工(明) ①本(ほん)②ろ③つ④そ⑤れ⑥た⑦よ⑧山(やま)⑨き
関西 紙商 ①え②ち③せ④て⑤ほ⑥う⑦折(おり)⑧よ⑨あ
関東 紙商 ①い②こ③よ④き⑤久(きゅう)⑥位(くらい)⑦ほ⑧ち⑨り⑩た
肴 屋 ①ひす②よせう③え④はり⑤たら⑥たび⑦おき⑧ちう⑨あか
魚(大物)屋(昭) ①い②くち③き④よ⑤か⑥ろ⑦や⑧てつ⑨へ
筑後茣物商(後) ①だい②いり③む④わ⑤また⑥い⑦る⑧べく⑨ぶん⑩だい
詐欺師 ①やり②まつ③けっこう④ふつ⑤これら⑥えいめい⑦てがかり⑧あった⑨さつは⑩きついこと
大阪屑物商 ①えは②ちは③せは④ては⑤ほは⑥うは⑦おは⑧よは⑨あは
大阪古物商 ①ひは②ふは③みは④よは⑤いは⑥むは⑦なは⑧やは⑨こは
大阪 共産 ①さいん②ばろん③もばん④たにん⑤てほん⑥ろへん⑦ふとん⑧やちん⑨いりん⑩かぬん
小倉 魚商 ①そく②りゃん③てんじょ④だり⑤いしや⑥ちょうがん⑦のだ⑧ため⑨きわ⑩いっぱい
鹿児島魚商 ①そっぽ②じゃんこ③てんじょ④わさ⑤げんこ⑥がたぼ⑦よいぼ⑧すいぼ⑨きわ⑩そっぽ
魚 屋 ①よそ②てん③ちから④みす⑤おんて⑥かい⑦たまや⑧こた⑨けが
主に『単位の辞典』によったが、下記の本にも種々掲げられている。
【参考文献】
新編 単位の辞典 ㈱ラテイス 昭和49年6月1日
商用 単位事典 篠崎晃雄著 実業之日本社 昭和49年4月15日
東西数学物語 平山 諦著 恒星社 昭和48年11月30日
日本を知る事典 社会思想社 昭和46年10月15日
和算家の旅日記 佐藤健一著 時事通信社 昭和63年5月1日
日本語大辞典 講談社 1989年11月6日
塵劫記 吉田光由著 大矢真一校注 岩波文庫 1977年10月17日
以 上
