・・新刊・・好著紹介

 

『那由他』   福山静久志著  文芸社  1200

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                        (社)大阪珠算協会

                             副会長 森友 建
 

 

■バイク事故で右手を失い、少年の心に深い傷を負った被害者

那由他、加害者として世間の冷たい視線の中で生き続けなけれ

ばならない中泉少年。

 

 事故発生時、既に珠算の練達者の域に達していた二人が、事

故後塾でのそろばん練習を続けていくことで、自己を練り上げ

ていく中で、二人の和解のプロセスを一つずつ積み上げていく

少年たちのライフエクスピアリエンス(成長記)を描く。

 

38年間、大阪市内で小学校教員を務めた著者の、堅固なストーリー構成力と簡明で品格のある文章能力が随所に光る、印象に残る好著。

 

■著者は、現在(社)大阪珠算協会の豊中支部長を務めるベテランの珠算塾教師でもある。珠算の実体と、練達者が身に付ける信じがたい数把握能力と計算の実力を、物語りの綾糸として織り込みながら読者に分からせていくアイディアと構成に感嘆を覚える。

 

■少年問題を考える一つの材料であると共に、現代珠算のアイデンティティを世に知悉させる格好の媒体と言える。

 

尚、彼が主宰する会派に属する中堅の珠算人、西森俊彦氏、加藤正紀氏の突然の逝去を悼み、鎮魂の意を込めて、両先生の名を裏表紙に銘記する著者の心遣いが胸を打つ。

 

著者のプロフィール

  昭和10年、大阪市生まれ。大阪学芸大学卒業。

  著書に、『小学校教育 ここまでやってこう考える』(フーコー)、

      『スターティングウイズ 願いましては』(フーコー)がある。

 

                  

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