平成19年度 珠算指導者講習会 第三回 2007/12/02 大阪珠算月報678号(2008/01/19発行)より転載 |
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平成19年12月2日(日)、師走も感じさせない中、大阪商工会議所、地下1階会議室に於て、午前9時30分より第三回珠算指導者講習会を多数の先生方ご出席の下、開催することが出来ました。 平成19年度最後の珠算指導者講習会、テーマは「低学年指導と小学校の計算」 第一講座は、㈳大阪珠算協会、会員尾藤アサコ先生。「私の珠算指導法」と題して、独自のスタイルで子供達に指導されておられ、珠算人はいつまでも若くあれと健康法(ヨガ)を交えての講義でした。 第二講座は、東京都多摩市立多摩第二小学校、教諭、有田八州穂先生。「小学校教育における暗算の重要性」と題して、現役での指導されている立場から、どのような計算力が必要なのかを、実際の授業でのやりとりを紹介され、先生の生のお声はそろばんの位置づけを、一考させられる講義でした。 今年も講師の先生をはじめ、準備に当たっていただいた委員の先生方、事務局、各位の先生方に支えていただき、無事に珠算指導者講習会を終える事が出来ました。 厚く御礼申し上げます。 来年度以降も珠算人としてのスキルを磨いていただく為にも、珠算指導者講習会のご出席を、宜しくお願い致します。 有り難うございました。 |
第一講座「私の珠算指導法」 講 師 社団法人 大阪珠算協会 Iブロック 尾 藤 アサコ 先生 ☆わくわくする楽しい塾 @塾の目標 •喜んでもらえる塾。 •信頼してもらえる塾。 •検定試験は合格目指し特訓する。 (保護者に喜んでもらえる塾創り) A感謝の気持ちを大切に •保護者が汗水流して働いたお金で、そろばんを習わせてもらっている。 •授業中は真面目に努力する。 •試験に合格しても、皆の支えがあればこそと、感謝する。 B今の塾に求められるもの(活かせるそろばん) •暗算強化(何時でもどこでも便利、生きてる限り電池も要らない)。 •見取算もできる限り暗算でおく。 C初歩の段階、又ステップ毎に補助プリントの作成 •補助プリントにより生徒がスムーズに理解する。 •低学年には可愛いイラストもいれる。 D今風珠算塾「そろばんよ、さようなら」の時に模索 •パソコンを導入 •幼児・1年生が入会しても困らないテキスト作り。 •授業は週2日制(週1日でも伸びる生徒は伸びる) Eパソコンの良い所(気分転換にもなる) •誤算はカウントされなく正解のみカウントされる。 •即、結果が出る。 •解答を打ち込むと、直ぐ次の問題が出題される。 •ゲーム感覚で、四則計算・暗算力が伸びる。 •パソコンの前に並んで競争ができる。 •機械ならではの甘えが無く、妥協しない。 •保護者が見学に来た時、即実力を見てもらえるのが華。 •パソコン体験で興味を持たせる。 •保護者も、そろばん塾に対して見方が変わる。 F今の時代「生徒募集」にチラシも必要 •!ハットして! !グットくる!広告作り。 •新聞よりも「ポスティング」のほうが効果的。 G50歳の手習い(努力すれば何とかなるもの) •「キータッチ2000」クリア。 • 58歳で「パソコンインストラクター」の資格取得。 •パソコンは習得に苦労したが、今は重宝している。 ☆すぐ打てるキータッチ「びとう式」(ローマ字入力法) *ご利用いただければ幸いです。 ☆肩回し |
第二講座 「小学校教育における暗算の重要性」 講 師 東京都多摩市立多摩第二小学校 教 諭 有 田 八州穂 先生 小学校算数というと即「計算力」と考える人が多く、昔から小学校は、「読み・書き・そろばん」を勉強するところと考えられてきました。 明治に学制がしかれて、黒表紙教科書ができると、そのほとんどが計算で、つぎの青表紙・緑表紙でも「計算重視」は変わりなくそろばんもやっていました。それは算数が「日常の実用的な物に対応できる」という、「実学的」な側面が求められたからです。 明治になって、和算から西洋数学に変わりアラビア数字、十進位取り記数法が入ってきても、計算としての「筆算」が新たに加わったくらいで「計算の必要性」としての算数という意識はそう変わるものではありませんでした。数学の歴史の中では、「計算」というのは、主たる物ではなく、いわば数学をするための「道具」「言語」の役割を果たしていたのです。 明治の文明開化による西洋数学の導入があっても、「計算による形式陶治」的な考え方は変わらず、算数=計算の考え方は、戦争直後まで続き、しかも、それは今では考えられないくらいの「暗算中心」の計算でした。そこで暗算中心の計算に偏らない算数が叫ばれ、「筆算重視」が言われます。 十進位取り記数法による、筆算の系統的な学習が、「水道方式」と呼ばれ、暗算から一転「筆算計算中心」へと教科書も学校の指導者の軸足も変わっていきます。「ステップバイステップ」で筆算計算をレベルアップしていく必要性が強調され、これまでの極度の暗算中心は批判され「暗算軽視」に変化します。つまり算数のスタンダード化は、ある意味「暗算の無意味な排除」と「パズル問題の排除」を生んだのです。それは長い「計算力軽視」のはじまりでした。 そろばん人口の減少とともに計算力軽視は進みプリント学習塾、通信添削学習が盛んになると共に暗算が「答え方の暗記」に変わっていきました。電卓などの計算の機械化等が始まり「暗算」が本来の「暗算」ではなく、「答え方の暗記」「計算の機械依存(計算のボタン化)」になっていったのです。 「計算力」を今はやりのフラッシュ暗算とかの「狭い範囲」で考えるのではなく、もっと広い意味で「何のための計算力か」という視点から考えてみたいと思っているのです。 小学校で大切な「暗算力」とは、計算は基本的な、計算マニュアルにしたがった最低必要な計算とそれを元にした「計算を使いこなすための計算」があり、それは「暗算重視」であること。演算を介した相互の変換が、暗算で自由自在にできるようにすることが大切であること。計算を道具として使いこなすためには、一番求められる力で暗算でやることが求められます。暗算は具体的な、「見当をつける力」であるということ。一番重要な「計算力」は、「問題を数学的に解く力」であること。これが計算力で大事だなと思う事は「問題に即してイメージ化をする事ができ」「この問題ではどの計算を適用できるかが判断でき」「立式、つまり数学的抽象化・言語化ができる」ということなのです。数学の第一歩は、自分の持っている想像力を働かせることです。この問題の自分のイメージを持つことです。マニュアルではない、「自分の解き方」を探るのです。このように問題に当たるときに、重要な「計算力」とは、いったい何なのかをもう一度、原点に立ち返って捉え直してみる必要があるようです。 実は我々が重視していたのは、計算力なのではなくて、「計算マニュアル暗記力」ではなかったかということなのです。 「講義内容より」 計算力そろばんと考えている珠算人にはいろいろ、考えを見直す話もたくさんありました。いかに、そろばんが計算力に必要なものかも、アピールしていかなければいけないかも解りました。 これからの、私たちのまた新たな課題が、出来たという意味で、良いお話が、聞けたなと思います。ありがとうございました。 (教養委員 山下ゆかり) |